不動産売買契約1 売買契約と残代金決済 持ち回り契約 印紙

2018年11月15日 お知らせ, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方

売買契約

不動産の売買取引の多くは、売買契約書を交わす“売買契約”という行為と、“残代金決済(所有権移転・引渡し)”という行為とがあります。

『不動産売買契約』
不動産を売買取引するには、購入する方は、住宅ローンなど金融機関の融資の申込やお金を借りる契約をするなど、お金を用意するために多少の時間がかかります。また、売却する方は、建物を解体して更地にするとか、測量するとか、住宅ローン返済の手続きなど、内容により異なりますが工事手配や、手続きがあるため多少時間を要する場合があります。
 このように、不動産の売買では、売主側も買主側も双方、作業や手続きがあり、売買契約という”合意”から実際に、お金を全額授受し、不動産を引き渡すまで数週間から数カ月ほど時間を要するため、その期間のあいだに“雹が降って壁がボコボコになったらこうしましょう。”、“税金の精算はこうしましょう”と、合意から引渡しまでの間に、なにかあった場合の取り決めをすることが、不動産売買契約書に盛り込まれています。
 売買の合意から引渡しまで、時間がかかるので、売主、買主がその取り決めをより強固な約束事にするために、いわゆる『手付金』というお金を授受して、契約を強固なものにします。

『持ち回り契約』
 売買契約は、売主と買主が一同に会して契約書を取り交わす方法が一般的ですが、買主と売主が別々に契約書に署名捺印して作成する“持ち回り”契約という方法もあります。どうしても日時が合わない場合や、代理人をたてられない場合など、買主と売主が別々に契約行為を行うこととなります。
 持ち回り契約の場合、多くは買主から先に手続きをします。買主側にて売買契約書に署名捺印をし、手付金を仲介業者に預けます。その後、仲介業者は売主側にて売買契約書に署名捺印をして契約を完成させ、預かった手付金を手渡し、領収書を受け取ります。完成した売買契約書と手付金の領収書を買主側に引渡して契約が成立します。
 取引相手と会えないので、他人のなりすましなどが無いかリスク除去は仲介業者がしっかり行うと思いますが、取引の際には十分注意しましょう。

『印紙』
 売買契約書を作成すると、印紙税の課税対象となりますので、原本1通につき印紙の貼付が必要になります。

 不動産の売買では、“売買契約”と“残代金決済・引渡し”とは時間をおいて別々に行い、売買契約は、そのあいだの取り決め事に双方が合意(契約)することをいい、取引の始まりとなります。