不動産売買契約3 『公租公課の分担』 ~ 固定資産税等の日割精算

2019年1月7日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方

不動産売買契約3

『公租公課の分担』 ~ 固定資産税等の日割精算

 一般的な不動産の売買契約では、公租公課(固定資産税等)の分担についての定めがあります。固定資産税および都市計画税(以下固定資産税等)は、不動産を所有している方に請求される税金です。毎年、所有者の方が負担しているので、売主から買主に所有権が移転したら、その税金も日割りで精算しましょう。という主旨のものです。

 不動産を所有すると、地域の自治体(市区町村)から毎年4月上旬に、年税額の通知があります。一般的に年税額はその年(1/1~12/31)の分としています。1年分の固定資産税等を、年4回(4/30、7/31、12/25、翌年2/28)に分けて納付します。

 日割精算の区切りを、所有権移転の日の前日までは売主負担、所有権移転の日から買主という精算にしている場合、下記のようになります。

 所有権移転日⇒ 7/1

 売主負担期間 1/1~6/30(181日間)
 買主負担期間 7/1~12/31 (184日間)

年税額が12万円の場合の計算方法
売主負担額 12万円 ÷ 365日 × 181日 = 5万9507円
買主負担額 12万円 ÷ 365日 × 184日 = 6万493円

 その年の負担者は、その年の1月1日時点で課税台帳に記載された方となりますので、通常は売主がその年の年税額の負担者となります。
 買主から買主負担期間分の負担額を受領して、売主がその年の固定資産税を支払うことになります。
 この固定資産税の日割り精算は法的な決まり事ではなく、不動産取引の慣行です。不動産の所有期間に応じて、収益(賃料収入等)や経費(公租公課等)を分担しましょう、という取引慣行です。

 固定資産税は、小規模宅地の特例の適用により、建物があれば200㎡まで土地の税額が6分の1になります。逆にいうと、建物が無い場合は土地200㎡分の税額が6倍になります。

 土地の売買で、建物解体更地渡しなどの条件がある場合、建物の解体が年内に行われその土地に1月1日時点で建物があるか無いかで、翌年の税額が大きく異なる場合があります。
 土地建物の同一所有者が建替えるために一時的に更地にした場合などは、特例適用になりますが、土地売買のために一時的に更地にし、1月1日時点で建物が無ければ、小規模宅地の特例は適用されませんので、土地を購入して建物を建築する際には留意してください。
 当年の1月1日時点の土地建物所有者と翌年1月1日時点の土地(建物無し)の所有者が異なる場合は、小規模宅地の特例は適用になりません。詳細につきましては、お近くの市区町村へ御確認ください。