2023年1月9日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方
マンションの給水方式では、高架水槽給水方式がこれまで多くのマンションで取り入れられた給水方式でしたが、今の主流は、増圧ポンプをつけて給水する増圧給水方式が主流となっています。高架水槽の良いところは、断水時でも水槽内に水があれば、重力で給水可能なことです。電気代も少なく、地上の受水槽の水もいざというときに利用できます。デメリットは、高架水槽の劣化による更新に費用がかかったり、水質の低下に気を配ることや、上階の水圧が低いことなどがあげられます。
また増圧給水方式の場合は、高架水槽に水を溜めないため、水質は安定し、水槽を保守管理する費用も無くなります。しかし、高架水槽給水方式にくらべ、水圧が6倍~8倍くらいになるため、各居室の水栓なども交換する場合があります。また床下の給水管などから漏水が発生する場合もあります。そのため、高架水槽から増圧給水方式に変更する際は、多くの費用がかかる場合がありますが、先々を見据えて検討をお奨めします。
最近の建物の給水管は”高密度ポリエチレン管”を使用しています。高い柔軟性と、伸縮性があり、耐久性にも優れていて、耐用年数も40年となっています。以前は、鋼管や塩ビ管などの給水管が多かったのですが、20年もすると管内部には夥しいサビが生じ、継手などは、腐食が生じて漏水リスクにさらされます。給水管は継手部分がもっとも腐食しやすいと言われており、3LDKの室内だけで約20か所から30か所ほどの継手があります。
管の劣化早期発見は、長い時間経過とともに表出します。継手内部で、サビが生じ、腐食がすすむと赤水が発生します。その後は、漏水箇所が頻発すると設備更新となります。
点検箇所は、目視で発見できる箇所として、メーター廻りです。通称パイプスペースと呼ばれるところには、配管が見え、継手も多く、腐食が進み、漏水が生じている場合があれば、赤茶に汚れた箇所が見えると思います。屋上のバルブや継手の部分などを見て、腐食が進んでいる箇所があれば、修繕を早めに予定しましょう。
余談ですが、最近は、マンションでも温泉施設を謳っている物件もございます。たんなる沸かし湯の大浴場ではなく、冷たい水でも一定量の温泉成分が入っていれば加温でも温泉付きと表示できます。
既存の大浴場付マンションで調査した資料によれば、やはり管理費が高いのは、温泉大浴場がついている物件です。沸かし湯大浴場のある物件にくらべて、温泉大浴場のある物件は、他の共用設備が多くあるケースが多いことや、温泉供給費用もかかることがその原因のようです。単なる沸かし湯大浴場の場合は、循環温浴システムが技術的に進んでいることが費用逓減にもつながっているようです。
StampfによるPixabayからの画像