京都市が全国の自治体で初めて「空き家税」を創設

2023年4月24日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方


 報道では、京都市では、住宅が不足しており、課税をさけるための売却を促進させ、賃貸などの利活用を促すことで、住宅の供給増につなげる狙いとのことです。空き家のほか、日常的な居住者がいないような、年に短期間しか利用しないなどの、別荘や別宅なども対象となる、とのことです。
 通常、不動産所有者には、『固定資産税』が賦課されていますが、これに加えて『空き家税』を賦課するようです。税負担は、従来の固定資産税の1.5倍ほどになるそうですが、評価額が低い不動産や京町家などの文化的価値がある建物は対象外となるそうです。
 試算では築40年ほどのマンション(60㎡)だと年間25,000円ほどかかるそうです。築浅タワーマンション最上階(100㎡)だと年間950,000円ほど課税されるとのことです。
 もともと、京都市は『非戦災都市』であったため、戦火を免れた古い狭小木造住宅が多く、固定資産税なども軒並み低いそうです。また寺社なども多く、地価が高い割りに固定資産税の税収が少ないのだそうです。さらに、国際観光都市でありながら、他の海外の観光都市とくらべて不動産が安いらしく、海外の富裕層や国内の高齢者が京都市に不動産を購入するケースが多いのだそうです。
 大学生が多いものの、卒業後は居住費が高い京都市に住むことがなく、転出してしまい市内に残るのは高齢者しかおらず、社会福祉費が増大していくため、20代後半~60代前半の居住者が他の政令都市よりも少ないようです。まちづくりの担い手不足になることも懸念されているようです。
 不動産賃貸業の集合住宅物件は対象外ですが、募集をしているが、悪い募集条件にして空家にしていたり、入居者が入らなくてもよい状況に放置していると空き家税の対象不動産となるようです。
 また相続した戸建なども、1年以内に賃貸事業をするか決めないと空き家税がかかります。
 京都市のみならず、全国の自治体で空き家問題が生じているため、政府は『空家等対策特別措置法』の改正案を3月に閣議決定し、より制度的な取り組みを行うようにしています。
 次回は改正された空家法についてご紹介します。
Gerd AltmannによるPixabayからの画像