2023年8月21日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方
心理的瑕疵とは、物理的な欠陥ではなく、主に精神的な問題や情報に関してのネガティブ情報を指します。不動産取引では、社会一般的な通念でネガティブな情報を買主や借主が知ることで、心理的な不安や恐れを引き起こす可能性がある内容としています。
具体的には下記のようなものが考えられます。
『過去の事件事故』これは、いうまでもなく物件が過去に凶悪犯罪や事故の現場になるなどした場合に該当します。例としては、殺人事件や自殺などの事件事故、火災や特殊清掃が必要になるような孤独死などです。
『近隣環境の問題』隣地で重大犯罪や大事故などが発生していた。または暴力団事務所や火葬場や墓地などの嫌悪施設、飛行ルートや搬出入などの騒音問題、近隣住民のゴミ屋敷、動物の多頭飼育など、買主や借主の生活に影響を及ぼす可能性があるような内容が該当する場合があります。
『歴史的・文化的問題』地域の歴史や特定の文化などが背景に、社会通念上、精神的に影響を及ぼす恐れがある内容(迷信や不吉な出来事など含む)などが該当する場合があります。例えば、首塚や、禁足地などです。しかし最近では名所、旧跡などになっていて、パワースポットとして脚光をあびている場所もあるので、昔はネガティブな情報も今はポジティブな情報に変わっているところもあるので、難しいところです。
心理的瑕疵は範囲が広く、また不確かな情報があった場合でも、調査には限界があり、どこまでそれらの情報について取り扱うべきかも、慎重にならざる得ません。
心理的瑕疵となりうる情報が、買主や借主に対して購入や借りる際の判断に大きな影響を及ぼす可能性があるかどうか。そのため、調査段階で詳細に物件について調べて情報を提供することが大事になってきます。
なお国交省では、不動産取引における心理的瑕疵に関する取扱いのガイドラインを提示しています。
Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像