ハザードマップ 河川管理計画 2

2024年7月8日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方


 河川管理について、我孫子市を流れる親しみのある川として利根川について前回、少しご案内しました。利根川は首都圏の重要な河川として存在しており、管理は国土交通大臣がしていることなどをご案内しました。今回はそのつづきをご案内します。
 利根川はもともと、江戸湾(現東京湾)に流れていた川でした。現在のように千葉県銚子市から太平洋に流れることになったのは、徳川家康の入府がきっかけでした。江戸(現東京)を利根川の水害から守り、河川を人工的に整備することで、江戸周辺の新田開発を拡げ、舟運の開発や振興を目的としていました。
 徳川家康の利根川東遷事業を家康から命じられたのは、”伊奈忠次”という方です。この方が44歳のときに着手し61歳で亡くなりました、その後、息子2人と、孫一人の3世代にわたり事業を継続させ見事に完成させました。約60年~70年間ほどかかったそうです。利根川東遷と同時に、荒川を利根川から分離させる”荒川の西遷も実施し、関東平野および首都圏の治水を成し遂げました。その功績は、現在の首都圏の発展の礎となっております。東遷の効果は、我孫子市布佐に隣接する木下(きおろし)という地名からも、舟運が発展した様子がうかがえます。伊奈一族は200年にわたり幕臣として江戸幕府を支えました。伊奈氏は没後300年後の大正時代に叙勲の栄に浴し、埼玉県の伊奈町は伊奈忠次に由来し、茨城県筑波郡伊奈町(現つくばみらい市)は次男忠治に由来します。
 国土交通省では、このような大事業を礎にしながら、河川整備計画を整え、流域住民の生活や社会経済活動を、安定的に持続することができるように日々取り組みをしています。
 河川整備は、主に堤防などの整備、河川の浚渫、水門や堰などの改修等があります。いまでいう温暖化や線状降水帯など、気象現象も時代とともに変化していくため、長期的な計画を準備しています。また、入念な防災準備をしていても、決壊などが発生する場合もあるため、“ハザードマップ”を活用することで、いざという時に、避難できるように河川整備計画の中で、各自治体に整備することとしています。
 わかり易い例では、江戸川や利根川、荒川などで“スーパー堤防”という呼び名の場所があることを見聞きしたことはあるでしょうか。高規格堤防という規格で、堤防を越水した場合でも堤防が崩壊しないように流下する方式となり、河川整備計画では、日々、防災・減災に向けた取り組みが行われています。ハザードマップもこのような取り組みの中の一環として整備されているので、全体の取り組みについても、知ってほしいと思います。
gtaranuによるPixabayからの画像